Friday, November 15, 2024

歯科矯正と抜歯

歯列が狭い人や、歯が重なっている人が歯をまっすぐにするには
 スペースを作るために抜歯をしないといけない症例があります。

小臼歯と呼ばれる大臼歯より小さな歯( Premolar)
そのうちの第一小臼歯と呼ばれる歯、上下左右、全部で4本抜くことが多いです。
噛むのに、あまり大きな力がかからない歯ではありますが
健康な歯を抜きたくはないですよね。




  また 、一番最後に生え変わる犬歯が一本飛び出ていると、その歯を抜いてしまった方が矯正治療は早いように思うのですが、邪魔だからと一本だけ抜いてしまえば前歯の中心がずれたり、見た目のバランスが悪くなります。

犬歯は上下の歯の動きをガイドをする大切な歯ですし、審美的にも左右のバランスはとても大切です。
 

だから、将来歯を抜かなくても済むよう、狭い歯列を大きく広げ場所を作ることが初期歯科矯正の第一の目的です。

歯の歪曲が大きくなれば並ぶ場所も確保できます。
これは子供の成長時期が一番効果的です。


Friday, November 1, 2024

奥歯の噛み合わせ



歯並びって前歯の並びが悪い場合は気にされますが、奥歯は噛んでればいいと思っていませんか?

一度、鏡でご自分の歯の噛み合わせを観察してみて下さい。
上の図が正しい噛み合わせの位置です。
上下の歯が当たる場所も 中央になってます。

噛み合わせが悪いと上下の歯が当たる面積が減り、食物をすり潰しにくく消化不良になります。
それだけの問題ではありません。
一部の歯だけに力が集中してしまうと、その歯に負担がかかり骨の支えが弱くなって歯周病で歯が抜けたり、バランスの悪さから顎関節症になったり大きな問題がたくさん出てきます。

一番分かりやすいのは前歯のかみ合わせですが、
前歯の噛み合わせが悪い=奥歯の噛み合わせが悪いとも言えます。

歯の噛み合わせは見た目だけでなく、全身にも影響を及ぼします。





Tuesday, October 15, 2024

歯周病と癌の関係

 今日は歯周病の話。

歯周病は、歯と歯茎の境目から菌が入って、歯を支えてる骨を溶かす。
この知識はみなさん持ってらっしゃるはずです。

でも、じゃあ、
「私はそのばい菌を飲み込んでるの?」
「歯茎から入ったばい菌が体の中に入ってる?」

そんな疑問も起こりませんか?




アメリカの癌学会はかねてより、歯周病とがんに関係があることを調査していました。
今回、 Woman's Health Initiativeという調査機関が
1999年から2003年の期間に歯周病と診断された54歳から86歳の女性6万5000人に
アンケートに答えてもらった結果が発表されました。

この中で、7149人が何らかの癌を発症していることがわかりました


肺がん、胆のうがん、黒色腫、乳癌においても、歯周病でない女性と比較するとリスクがかなり高くなっています。

胆のうがんはこの調査で改めて歯周病と関係があることがわかりました。


 歯周病の女性は、そうでない女性と比べて、がんのリスクが14%上昇するそうです。
食道がんにおいては3倍以上。

まだまだ研究は必要で、
何がガンを誘発してるのか、どう血液に悪影響を与えているのか調査が必要ですし
アンケートだけでこれだけの結果が出たのですから、
今後まだまだ研究されていくようです。


人間の体はたくさんのパーツが集まって出来ています。
一つに不備があると、やはりどこかに不都合が出てくる。

歯周病は「歯の病気だから単独の問題」ではなく
全身の問題として、きちんと治療することと、予防することが大切ですね。

Tuesday, October 1, 2024

歯ブラシの知識

 電動ブラシと普通の歯ブラシ、どっちがいいの?

2014年に数か月間行われた専門家の調べでは、 電動歯ブラシは普通の歯ブラシよりもプラークを21%取り除き、歯茎の腫れを11%低下させたと、発表されました。

けれど2019年の調べでは虫歯の数は、電動歯ブラシの利用者と、普通の歯ブラシを使用している人では大きな違いがなかったとの結果が出ています。

どの歯ブラシを使用したとしても、歯ブラシが当たっていないと歯磨きをしている意味がありません。

鏡を見ながら、いつもとは違う場所から磨き始めたり、歯ブラシを違う角度で持ったりすることも 今まで磨けていなかった部分を見つける一つのアイデア。

歯は平面ではなく円柱であることを意識して磨いてください。

 

歯ブラシを選ぶのも大切ですが、

それ以上に歯を一本ずつ綺麗にすることが磨き残しを減らす一番のコツです。

 

 





Sunday, September 15, 2024

いびきの治療


 いびきは、67%の大人の人がかいていると言われています。

粘膜が喉を圧迫して、空気の流れを阻害し呼吸時に音が出ます。

この緩んだ粘膜を狙い、のどの皮下組織の中のコラーゲンが豊富な層にレーザーを当て、 粘膜を引き締めて、喉の空間を広く、呼吸がしやすくする方法が開発されました。

 顔のしわ取りなどに利用されていた方法と似ています。

歯科医師は医師との連携で、この治療を行います。

これまでは 、睡眠時無呼吸症候群やいびきは、睡眠中に呼吸用のマスクで鼻と口に空気を送る機械やマウスピース、最終手段は手術になりました。しかし、レーザーを利用する画期的な方法が開発され、道具に煩わされたり、手術での体の負担もなく、患者さんの快適な睡眠を確保できるようになりました。

まだポピュラーではないので、当院も様子観察中ですが、将来様々な治療にレーザーが使われるようになって、患者さんの体の負担が 減る治療方法や手術が開発されるといいですね。


 

Sunday, September 1, 2024

歯科のレントゲンって大丈夫?

歯科でレントゲンを何枚も撮ったけど大丈夫かしら。
照射量ってどのくらい?

歯科医院で皆さんの頭の中に起こる疑問ですよね。

簡単な基準で言うと、まずバナナを食べると0.1マイクロシーベルト(μSv)
日々の生活で受ける照射量は 0.4μSv

一年間コンピューターモニターを見続けると 1.0μSv

 歯科のデンタル、小さなレントゲンは 5.0μSv
パノラマと呼ばれる口の中全体のレントゲンは 14μSv

NY からロサンゼルスの飛行機に乗るだけで 40μSv

胸のレントゲンは 100μSv

医療のCTスキャンが 10000μSv
 
 これは2011年にMayoクリニックが発表した数字です。



レンガのビルに一年住むと70μSvとか、タバコを一日1.5箱吸うと36000μSvとか。
知らない場所でも放射線を浴びています。
もちろん、普段の食べ物からもです。

パノラマは毎年撮るわけではなく、数年に一度のチェック、又は手術やケガなどで必要になった時のみです。
デンタルは虫歯になりやすい人はできれば半年に一回、これは非常に大切な検診方法の一つです。
歯と歯の間の虫歯は肉眼では見えないので、バイトウィングと呼ばれる特殊な方法で確認するのが一番効果的です。

歯根の先の病巣も 深い歯周炎もレントゲンが必要です。


照射量を心配するより、必要なレントゲンを定期的にきちんと撮影していることが、最終的には自分の健康を守ることになるのです。



Thursday, August 15, 2024

Bite Wing

  アメリカの歯科医院にて治療前の診断で必ず撮影するレントゲンが BiteWing、咬翼法と呼ばれるものです。

この撮影方法は歯と平行に撮影するので、歯と歯の間の小さな虫歯や、軽い歯周病、詰め物やクラウンの不適合、歯石など様々な診断 ができる優れもの。

この一枚のレントゲンで上下含めて最低4本の歯が診断でき、左右2枚ずつ、合計4枚撮影すれば奥歯の問題はたいていわかります。

 ただし、歯根の問題や重度の歯周病は見えません。

渡米され、日本では虫歯がないと言われたのにアメリカで咬翼法を撮影し虫歯がいくつも発見される場合があります。

レントゲンでしかわからない 小さなものの場合が多いですが、放置しておけば必ず大きくなります。

日本は歯科保健によって撮影できるレントゲンも決められていますから、初期の歯と歯の間の虫歯の発見は歯科医師の方々にも難しい問題だと思います。

 

そして、患者さんに知っておいていただきたい重要なことは、歯と歯の間はどれだけ歯磨きを頑張っても綺麗にはなりません。

フロスが大事。

日本では糸ようじを使われている方も多いのですが、つまようじの役目でしか使用していないと汚れが落ちていません。

歯間の清掃用ですので、糸を歯の面に押し付け、こするようにして前と後の歯、2本の汚れをこすり落として綺麗にします。

 

丁寧にフロスをする癖をつけて、歯間の虫歯を予防しましょう。