Monday, September 12, 2016

喫煙による口への影響

 タバコは身体に良くないということは、喫煙者も含め誰もが知っているはずだと思います。しかし、どのように悪いのかを理解する必要があります。
タバコの煙の中には約4000種類の化学物質が含まれ、そのうちの約200種類が有害物質で、発ガン物質が約70種類と言われています。さらにタバコは喫煙者だけの問題ではなく、タバコから吸い込んだ主流煙を喫煙者が吐き出す呼出煙と副流煙からなる受動喫煙により不特定多数の健康にまで悪影響を与える点、さらにタバコを消した後にも残っているタバコ煙による汚染、残留タバコ成分による健康被害、三次喫煙による健康被害までも留意する必要があります。

喫煙による口への影響
 タバコ煙が最初に通貨する口は喫煙の悪影響が最初に貯留する器官になります。
すなわち、口に貯留、通過するタバコ煙による直接的影響と血液を介した間接的影響の双方が関わります。
タバコ煙の影響は歯肉や口腔粘膜の厚さやその直下の粘膜下組織に分布する血管の分布度に依存します。
一般的に、歯肉が硬く角化し、口腔粘膜の上皮は口腔底、舌の下、口唇、歯槽粘膜(歯肉の下の部分)で薄く、硬口蓋(上顎内側)や舌背(舌の側面)で厚くなっています。
特に、口腔底粘膜は物質透過性が高く、薬剤の迅速な吸収を期待して、薬剤の舌下錠が使用されていることから、タバコ煙の影響を受けやすいことになります。

虫歯や歯周病、歯列不正などで訪れた歯科医院や病院歯科での禁煙支援は、現時点では、「歯科でまさか禁煙支援!」とは想定していないだけに重要です。
 例えば、歯科医院を訪れた患者さんが一人、歯科での禁煙支援がきっかけで禁煙に成功したとします。もちろん、危険因子となっていた歯周病は改善され、口腔 がんのリスクは減少し、味覚が正常となり、楽しい食生活となるでしょう。
 しかし、それだけではありません。お口(口腔)以外の全ての臓器も同様に、危険因 子がなくなることで、色々な病気のリスクが減少します。さらに、同居する家族、友人、職場、道ですれ違う不特定多数の人々等の受動喫煙、三次喫煙もなくな り、計り知れないメリットだらけです。今まで、お口(口腔)の病気の危険因子で、このような波及効果のあるものはありません。
タバコから「大切なひとだけでなく、その周囲を守る」ため、今後は、歯科からも積極的に禁煙支援を始めます。


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