Saturday, November 15, 2025

歯が抜けた場所の治療

 歯を虫歯や歯周病で失ってしまった場合、そのまま放置しているとどの様な変化が起きるかご存知ですか??
 歯は隣合い上下の歯が咬み合わさっていることにより位置を保っていますが、1本抜けるだけでも隣の歯が倒れ対合の歯が伸びてきてしまいます。(見た目上伸びたように見えるだけで、歯自体が伸びるわけでは無いので、咬み合わせが狂い最悪の場合抜けてしまいます。)なので、抜けた場所には必ず何か歯の代わりとなるものを入れなくてはなりません。
 失った歯に対する治療は以下の3種類があります。 

ブリッジ------(利点)自分の歯と同じように噛むことができ、違和感がありません。
       (欠点)ブリッジを固定するために両脇の歯を削る必要があります。
義歯------------(利点)口の中の型を取る程度の比較的簡単な治療で済みます。
        (欠点)硬い食べ物や、粘り気のある食べ物では苦労することがあり異物感を感じる人もいます。           
インプラント---(利点)自分の歯に近い構造で、自分の歯と同じように噛むことができ見た目もきれいです。
       (欠点)インプラントを埋め込むための手術が必要で、費用もかかります。


 

インプラントの材料はなんですか?体には害がないのですか?
インプラントには一般にチタンが使われます。チタンはチタニウムともいわれ空気中では非常に安定し、錆びにくく、強度が高く軽いなどの長所を持ち、生体安定性が優れています。又、整形外科などでも骨をつなぐ材料として使用されています。

インプラントの寿命はどのくらいですか?
インプラントは錆びたり、虫歯になったりしませんが、口の中の清掃状態が悪いと天然の歯と同じように歯槽膿漏になりグラグラしてきます。ですから自宅での歯磨きや定期的な検診が重要で、それによって寿命が大きく違ってきます。
                              

誰にでもインプラントは可能でしょうか?
レントゲンや3DCTの診断により、顎の骨の大きさ、形などによって不可能な場合があります。また、きちんとブラッシングができなかったり喫煙される方は不適応となります。
全身疾患がある方も、病状によっては手術ができないことがありますので、詳しい病状をお知らせください。 また、年齢制限などはありませんが、一般的に成長期の方には行いません。

どんな手順で治療は進められますか?
1 インプラント治療の説明と相談
2 病歴、健康状態の問診、検査と資料作り(レントゲン、歯の型取りなど)
3 治療方針の決定と説明
4 1回目の手術 歯肉を切開し顎の骨に専用のドリルでインプラントを埋入する穴を作ります。 インプラントの歯根部を骨の中に埋め込み歯肉で覆うようにして縫合します。
5 2回目の手術 インプラントの歯根部が骨になじんでから行います。3~6ヶ月後前回取り付けた歯根部の上の歯肉に穴を開ける。
6 支台部の型を取り、上にかぶせる歯を作ります。
7 支台部に出来上がった歯を取り付け、完成です。
8 定期健診には必ず来院し、自宅での手入れも丁寧に行ってください。

           

Saturday, November 1, 2025

小児予防矯正:Nite GuideとOcclusal Guide

今回は子供の予防矯正について

 永久歯に全部生え変わった後に行われるワイヤー歯科矯正は、装置が粘膜に当たって痛い、また歯が動かされるのでその痛みはもちろん、歯ブラシが当たりにくく虫歯になりやすい、顎の大きさによっては抜歯が必要な場合もある結構大変な治療です。

インビザラインも楽になったとはいえ、治療日も高額で大変なこともあります。


 

そんな歯科矯正を子どもの頃に予防する為の小児歯科矯正があります。

あごの成長のコントロールや、歯の生え換わりの誘導などを行い、思春期の矯正治療予防や、将来の矯正治療を簡単にし、また、永久歯を抜歯する可能性を減らします。
 

歯の型を取り、歯列に合わせたマウスピースのような装置を噛む運動によってあごを広げるという治療方法です。

お子さんの年齢や歯の状況によりますが

寝るときだけにつけるもの(Nite Guide)

日中に運動が必要になるもの(Occlusal Guide)どちらかを選択します。


 

  「矯正治療は早い時期からがいい」とよく言われますが、「永久歯が生えそろう前」が治療の開始に最適な時期といえます。

乳歯の頃から口腔内の状況を歯科医師と相談するのも大切な予防と言えるでしょう


お子様の歯並びが気になる方は、早めの相談が将来の歯並びの美しさにつながります。

Wednesday, October 15, 2025

歯の豆知識:緊急時の対応



 毎年、ケガなどで歯が折れてしまったり、抜けてしまうケースは全米で500万件にのぼると言われています。 
一度失われてしまった歯はもう元に戻らないのでしょうか?
 あきらめてはいけません。歯は、敏速な処置によって、よみがえることがあるのです。そこで、ケガをしたときは直ちにどんなことをすればよいか、知っておく必要があります。
 
  とれてしまった歯を、まず乾燥させないこと。ま水でも結構ですが、牛乳塩水唾液などにつけて救急センターへ持参するのがベストです。
救急センターでは医師がそのままとれた歯を移植してくれる場合もありますが、そうでなければ歯を生理食塩水内にパックしてもらい、かかりつけの歯科医院へ持参してください。
とれた歯は、ブラシでこすったりしないこと。なるべく根元の方は手に触れず、先の方を持つようにしてください。歯が汚れてしまったら、水でゆすぎましょう。
 
 とれた歯を1時間以内に移植することができれば、その歯は90%の確率でもとどおり使えるようになります。また、たとえ1時間以上経ってしまっても、その歯を仮に移植しておくことは可能です。後にその歯が使えなくなっても、一時的に顎の成長を安定させるのに役立つのであきらめないことが肝心です。
 
 ケガで歯をぶつけた場合、特にお子様では1本の歯でダメージが済むケースはまれです。ケガをしたら、お口全体を診察し、その後の3ヶ月、6ヶ月と引き続いて他の歯も様子を診てゆく必要があります。
その間、ご両親はお子様の痛みや腫れ、歯の色に変化がないかどうか、ぐらぐらしてはいないか、しみる、熱いなどの感覚をお子様が訴えないか、注意してあげましょう。
 
 歯が根元からしっかり付着し、安定してきたら、神経の治療を行います。残念ながら、後になってその歯に問題が起きてくることもあります。例えば、根元が溶け、顎の骨にひっかかる、歯が下に沈んでゆくなどの病気が考えられるので、治療後も歯の定期健診、要注意観察は重要です。