Monday, October 31, 2016

歯の豆知識:緊急時の対応



 毎年、ケガなどで歯が折れてしまったり、抜けてしまうケースは全米で500万件にのぼると言われています。一度失われてしまった歯はもう元に戻らないのでしょうか?あきらめてはいけません。歯は、敏速な処置によって、よみがえることがあるのです。そこで、ケガをしたときは直ちにどんなことをすればよいか、知っておく必要があります。
  とれてしまった歯を、まず乾燥させないこと。ま水でも結構ですが、牛乳塩水唾液などにつけて救急センターへ持参するのがベストです。救急センターでは医師がそのままとれた歯を移植してくれる場合もありますが、そうでなければ歯を生理食塩水内にパックしてもらい、かかりつけの歯科医院へ持参してください。
とれた歯は、ブラシでこすったりしないこと。なるべく根元の方は手に触れず、先の方を持つようにしてください。歯が汚れてしまったら、水でゆすぎましょう。
 とれた歯を1時間以内に移植することができれば、その歯は90%の確率でもとどおり使えるようになります。また、たとえ1時間以上経ってしまっても、その歯をかろうじて移植しておくことは可能です。後にその歯が使えなくなっても、一時的に顎の成長を安定させるのに役立つので、移植をあきらめないことが肝心です。
 ケガで歯をぶつけた場合、特にお子様では1本の歯でダメージが済むケースはまれです。ケガをしたら、お口全体を診察し、その後の3ヶ月、6ヶ月と引き続いて他の歯も様子を診てゆく必要があります。その間、ご両親はお子様の痛みや腫れ、歯の色に変化がないかどうか、ぐらぐらしてはいないか、しみる、熱いなどの感覚をお子様が訴えないか、注意してあげましょう。
 歯が根元からしっかり付着し、安定してきたら、神経の治療を行います。残念ながら、後になってその歯に問題が起きてくることもあります。例えば、根元が溶けてします、顎の骨にひっかかる、歯が下に沈んでゆくなどの病気が考えられるので、治療後も歯の様子を診てゆくことは重要です。

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